こんにちは。
奈良県生駒市にあります「はぎの台整骨院」院長の松本です。
最近は気温も上がり一気に春らしくなりましたね。そんな時期には必ずと言っていいほど花粉症でお困りの方が増えます。鼻水が止まらず箱ごとティッシューを持ち運んでいる方や、目薬を頻繁に刺さなくてはならない方、くしゃみが止まらず周りから白い目で見られて困る…どれもお仕事や家事、スポーツや趣味にも大きく影響しますよね。
今回はそんな花粉症のメカニズムを簡単にご説明してから、ご自宅で簡単に取り組むことができるセルフケアまでをご紹介させていただきます。
花粉症は免疫の働きで起こる
人間の体には「免疫」という警備システムがあります。外から入ってくる菌やウィルスはもちろん、毒や腐っているものが体内に入ろうとすると警鐘お鳴らして迎撃する仕組みが備わっています。
例えば鼻や口から侵入したウィルスであれば粘膜に付着させて体内の侵入を防ぎます。そこで侵入を防げずに体内への侵入を許してしまった場合でも、血液などを介して外敵を攻撃し死滅してくれるようになっています。
このように正常に免疫が機能している場合は、風邪や病気になりにくく、体調も良好に保つことができます。しかしながら花粉が一気に増えた場合は、迎撃班が満員となり、手が回らなくなります。結果として対応しきれない花粉は体外に排出するしか術がなくなりくしゃみ、涙、鼻水といった形で現れます。
さらに対応が遅れ続けると、くしゃみの連発、目の痒、鼻水が止まらないといったひどい症状に発展していきます。
緊急事態に起こっている体内の変化
免疫システムでは対応できなくなった緊急事態では、交感神経という神経が過敏になります。交感神経とはリラックスと興奮を調整する自律神経のひとつで、体を興奮させて体内を正常化させる働きがあります。
花粉が多すぎて対応できないような緊急事態ではこの交感神経がはたらきすぎて、興奮状態が続きくしゃみ、鼻水、涙が過剰に出るので、このような状態が花粉症となります。
交感神経を沈めるには…
ここまでお読みいただいた方は、交感神経の過剰な働きで花粉症が起こっていることがお分かりいただけたかと思います。またお察しの良い方であれば「交感神経を沈めることができれば花粉症で起こる症状が治まるのでは?」とお気付きかと思います。
しかしながら、人間の体に備わっている仕組みは簡単に変えることができません。特に花粉症のような緊急事態での対応では、神経を沈めることは簡単ではありませんが、解剖学と生理学の知識があれば交感神経スイッチの切り替えを促すことができます。
星状神経節の活用
星状(せいじょう)神経節という涙、鼻水、くしゃみなどの顔に起こる反応を一箇所でコントロールしている場所があります。場所は喉の奥の方で、この部分を刺激してあげることで交感神経が緩んで鼻水、くしゃみ、涙を減らすことが可能となります。
詳しい場所は以下の画像を参照してください。
具体的なランドマークで説明すると喉仏の少し下、そこから左右に指2本くらい離れた場所で、黄色い丸の部分に左右一対で存在しています。
一般的にクリニックなどでもこの部分に鍼やレーザーを当てて花粉症治療を行なっている場所ですが、実際には表面の筋肉をめくって奥まで侵入してからでないと直接刺激を当てることができないので、熟練の技術がないと難しいのが難点です。
首にある筋肉の活用
そこで首にある筋肉(上の画像に描かれている筋肉)を活用します。この筋肉(胸鎖乳突筋)は交感神経の影響で緊張するという性質を持っていますので、この筋肉に温熱刺激を加えて筋肉を柔らかくすることで交感神経が緩みやすくなります。
筋肉が柔らかくなると、その下にある正常神経節にも刺激が伝わりやすくなりますので、筋肉を指でめくっていく必要がなくなります。
ですので上の画像の黄色い丸の部分に温かいものをあてて、1分程度察するといった簡単な方法で正常神経節に間接的に刺激を加えていきましょう。具体的なやり方は以下の動画を見ながら行なっていただくと分かりやすいかと思います。
まとめ
ご紹介した方法は決して花粉症を治せるようなものではありませんが、神経の働きを使ってくしゃみや鼻水といったイヤな症状を軽減できる方法です。またあくまでもセルフケアですので本格的な鍼やレーザー治療と比べて持続時間も短く、効果もやや薄いものとなります。
その点はあらかじめご理解の上、取り組んでいただければと思います。
また今回の方法では花粉症のイヤな症状に追いつけないような場合は、免疫力が低下している可能性もあります。ゆっくりとお風呂に入る、睡眠時間を確保する、食事はお菓子やジャンクフードを避けるといった生活習慣の見直しもあわせて行なっていただく必要があると思われます。
是非とも鼻をかんだり、くしゃみを抑えるストレスを減らしていただき、少しでも快適に過ごしたいただければと思います。
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