熱中症の真実

こんにちは。

奈良県生駒市にあります「はぎの台整骨院」松本です。

さてようやく暑さのピークが過ぎて、少しずつではありますが秋の足音が聞こえてきましたね。

とはいえ日中は残暑がもうしばらく続きますので、熱中症には引き続き警戒して行きましょう。

よくある勘違い

この文章をお読みの方には「血糖値、血圧、塩分は低いほうがいい」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?もしくは健康診断や健康オタクの方にそう言われたなんて方もおられるかと思います。実は熱中症で搬送された方の多くは血糖値や塩分摂取量が少ない人が多いというデータもあります。もちろん、とんでもない程のオーバーした数字ではいけませんが、現代人は極端に数字にとらわれすぎて必要量に足りていない方も多いように思います。

ほんの100年ちょっと前の江戸時代にはエアコンも冷蔵庫もないのに熱中症はありませんでした。熱中症という名前が正式についたのは1980年代に入ってからです。

現代の生活と違うのは運動量の減少と血糖値及び塩分の摂取量が減り過ぎたこと。これら2つの要素で熱中症になる人が増えたという説があります。運動と栄養の影響が熱中症と関係していると言われています。

人間の体を巡るもの

人間の体が健康に動いていくためには「水」「空気」「熱」の3つが綺麗な状態でスムーズに巡っている必要があります。これらが3つとも問題なく巡っていると脳も心臓も免疫も正しく機能してくれます。

しかしながら、これらが妨げられたり、汚染されると本来の機能を果たすことが出来まくなります。

今回は熱中症に関する部分だけを抜粋して簡単にそれぞれの役割と障害の経緯を説明させてもらいます。以下の3つの働きを理解しておけば熱中症についての理解が深まると思います。

水…血液、消化液、リンパ液などの水分のこと。

各細胞でのコミュニケーションは水分を介して新しいものと古いものを必要に応じて交換する。特に血液ではNa(ナトリウム)が二酸化炭素を運ぶ役割を担っている。

さらには脂肪が多過ぎるとドロドロになって循環自体が低下することが知られていますし、血糖値は脳、心臓、免疫が正常にはたらくためのエネルギー源となります。

空気…酸素や二酸化炭素などの成分のこと。

酸素を細胞に運んでエネルギーを作って二酸化炭素を出すといった流れは有名。

主に酸素は血液中の赤血球が大半を運搬するが、二酸化炭素の大半は血液中のNa(ナトリウム)イオンが重曹という形に変えて肺に運んでいる。

熱…体温を生命維持のために最適な温度に維持するために発熱(体温を上げる)と散熱(体温を下げる)を繰り返している。

この散熱ができなくなり、体内に熱がこもった状態を熱中症と言います。

熱中症のメカニズム

これらのはたらきを理解した上で、以下のような流れも知っておくとより理解が深まると思います。

体内の温度上昇を防ぐため汗を出す(発汗による散熱)

体内の水分とNaが減少

二酸化炭素の肺への運搬も低下

呼気(息を吐くこと)量の低下

発汗の抑制=熱が体内で巡らずこもっていくことで、水も空気も巡りが悪化していく

これが何度も何度も繰り返されることで、結果的に呼吸が浅くなり脳に必要な酸素や血流が保つ事ができなくなる。どんどん進むと頭痛や倒れるような事態となりいわゆる熱中症症状が発生します。

ここに生活習慣の乱れや持病があれば、さらにたくさんの要素が絡んで、より複雑なルートになる場合もあります。

 ご自宅でもできる対策

熱中症の成り立ちを理解するだけでは不十分で、ご自宅でできる対策までセットで覚えておいてくと安心です。

有名な対策として運動中や運動後にNaイオンが含まれた食品(塩分タブレット)や飲料水(スポーツドリンクやOS1など)を摂取することも即時的な予防策としてはとても有効です。

しかしながら、これは運動を行える身体レベルの人にとっての対策であって、高齢者や運動には耐えられない身体レベルの方、小さなお子様にとってはあまり効果が期待できないことも多々あります。

後者の方々が行うべき対策は、第一に十分な睡眠で体を休めて脳を正常に機能させること。第二に夏でも湯船に浸かって、水圧と熱を使って汗をかく機能を低下させない。最後に栄養素として塩分、糖質、タンパク質をしっかりと摂取すること。

これらの対策をしていれば、3つの巡りが大きく狂うことは少ないと考えられます。

これは後者の方々だけでなく、運動をハードにやる方も睡眠、入浴、食事を整えた上で、ハードな練習やトレーニングに励んでください。

現代生活では、スマホやコンビニなどの普及で一昔前の当たり前の生活を行うことが難しくなっています。改めて体のために週に一度程度でいいので、早く寝る、銭湯に行く、手作りの料理を食べるを実践していただければと思います。

最後に

対策が簡単なレベル順に解説していきます。まずは入浴に関しては「めんどくさい」にだけ打ち勝ってもらえればOKだと思います。

次に睡眠は真っ暗な部屋で7時間を目処に寝ていただければ大体の場合はクリアできると思います。ただし睡眠障害がある場合には服薬などをうまく活用してください。寝つきが悪い方は汗ばむ程度の軽い運動でいいので、身体負荷を加えると眠りやすくなります。

最後に一番難しいのは栄養素の適切な量の選定です。

適切な摂取量は個人差が本当に大きく選定が難しいです。性別、代謝、年齢、運動レベル、就労環境などで大きく変化しますし、体調やその日の調子によっても微妙に変化します。

ですので、最初から自分に合った摂取量をピンポイントで当てることは非常に困難で現実的ではありません。神経質になりすぎず目安として性別、年齢、運動レベルで合わせてください。

また視覚やインスタなどの流行で食べたいものを選ぶのではなく、体の声を聞いて体が求めるものを選ぶようにすると正解に近づきやすくなると思います。体の声が聞こえにくい人は1日程度のプチ断食で体内をカラにすると聞こえやすくなります。とにかく中長期的な観点を持ち、数字に囚われ過すぎずにご自分のお体に合う食材と必要な栄養素の摂取量を試行錯誤しながら見つけていくことが大切です。

今回の文章が少しでもお役に立てることを願っております。是非とも残暑でも元気に快適に「動けるカラダ」で過ごして頂ければと思います。

当院ではお体が痛い、動かしにくいといったお悩みで通院いただいている方にも、今回の文章のような普段の生活もできるアドバイスやセルフケアもお伝えしています。

健康は総合的なアプローチが必要ですので、無理のない範囲で継続していくことができるセルフケアを提案させてもらっています。

受診希望の方はHPのお問い合わせフォームもしくは公式LINEからお気軽にお問い合わせおよびご相談ください。


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