整骨院の前に病院で受診する意義

こんにちは。

奈良県生駒市にあります「はぎの台整骨院」松本です。

患者さんのお話の中で「腰が痛くて病院行ったんです。診察もなくレントゲン撮ったんですけど原因は分からんし、数秒で診断もらって湿布出してもらっただけでした。これって病院に行く意味あるんかなぁと思うんですよねぇ」といった趣旨のお話を耳にすることがあります。確かに原因が知りたかったり、治したくて行った病院で原因も分からず、湿布を処方されるだけなら「最初から近所の薬局でいいやん。」と思われるのも理解はできます。

しかし鍼灸整骨院で3年、整形外科に5年以上勤めた立場から言わせてください。

「腰が痛くなったらまずは、病院で受診してください」

これだけは絶対の順序だと考えています。今回は病院に行く意義を科学的根拠などと共にご紹介していきます。正しい情報を持つことで防ぐことができるトラブルもありますので、腰痛改善したい方はもちろん、健康リテラシーを高めたい方も是非とも最後まで読み進めてください。

まず腰痛とは何なのか?

まずは「腰痛」の定義について知っておく必要がります。Wikipediaで調べると「腰痛(ようつう)とは、腰(肋骨の下からお尻の上まで)に起こる痛みや張り、しびれなどの不快感の総称で、特定の病名ではありません。原因は筋肉や骨の負担、姿勢の悪さ、加齢による変形、内臓の病気、ストレスなど多岐にわたり、その85%以上は「ぎっくり腰」や慢性腰痛のように**明確な原因が特定できない「非特異的腰痛」**であることが多いです。」

まず部分としては下記の写真では赤色で表される場所で、とても広い範囲を指し示していることがお分かりいただけると思います。

添付されている文章も含めて範囲の広さと症状の不定さが伺える

またこの部分には骨、神経、靱帯、椎間板、筋肉など様々な組織があり、そこに起こる不快感の総称なので、含まれる症状もとても広いことも併せてお分かりいただけるかと思います。そして文章の後半にある「原因は多岐にわたり、その85%以上は明確な原因が特定できない「非特異的腰痛」であることが多いです。」となんとも曖昧な表現になっていることに注目していただきたいです。

非特異性腰痛は「全体の85%はコレと言った一つの原因で起こっているのではなく(原因不明)、さまざまな要素が複雑に絡み合って結果的に不快感を訴えている」ものだと言えます。つまりは「ほとんどの腰痛は明らかに原因と思われるものはなく、また即座に医師の処置が必要とではない」という意味にも解釈できます。

この辺りの情報共有がされていない現状が、冒頭で紹介した一部の患者さんに病院への不満を抱かせる源なのかもしれませんね。

特異性腰痛と非特異性腰痛

次にWikipediaにも登場している「非特異性腰痛」という聞きなれない単語について説明`していきます。

全体の85%が非特異性腰痛であることは先程も触れた通りです。この非特異性というのは=原因不明と捉えていただいて構いません。厳密にいうと画像検査上では明らかな異常は見当たらなかったけど腰に不快感を訴えているという意味です。

病院でレントゲンやMRIなどの画像検査を行った際のデータが以下のグラフです。

残りの15%、特異性腰痛とは「画像検査上で原因がはっきり分かるもの」という意味であり、腰椎ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎滑り症、腰椎分離症などがあります。これらは手術適応例や注射など医師しか適切な処置が行えないものになります。さらにはレッドフラッグと呼ばれる緊急を要するケースも含まれます。数としては稀ではありますが腫瘍、感染症、骨折、大動脈解離などの命にかかわる重大な疾患が隠れていることもあります。

裏を返すと「非特異性腰痛は命に別状はなく、早急な処置も手術も必要がない腰痛です」という意味で捉えることもできます。よって医師に処置してもらう必要があるのは特異性腰痛の方に対する手術か注射ですので、非特異性腰痛の方には湿布と痛み止めを処方するのが最適解となります。この処方は後半で紹介する腰痛改善のために必要な要素を満たすためにも効果を出してくれます。最後まで読んでいただけると、つくづく医師の診断が必要であると感じさせられることと思います。

受診したことで得られる恩恵

察しの良い方ですともうお気づきかと思いますが、受診することで得られる最大のメリットは「医師が処置すべき症例かどうかのスクリーニングができる」ということです。医師免許は専門的な勉強をされて、経験も知識も技術も医療界では最上級の資格です。その最難関の資格を持った人間しか手を出せない腰痛が存在します。先程ご紹介したように腰痛は症状も原因も多岐に渡るので、まずは篩い分けのための画像検査と診断が必須です。医師の目で適切な判断をしてもらってから、私たち柔整師では手を出すことができない範疇の腰痛なのか、柔整師の処置で改善が見込まれるものなのかの篩い分けをしてもらうことが、まず最優先です。

くれぐれも面倒だからというような理由で、病院に行かずに整体院に先に通ってはいけません。本来、医師に処置していただくべき症例を柔整師や整体師が触ることでどんどん悪化させ、最悪のケースでは取り返しのつかないケースに発展する可能性もゼロではありません。繰り返しになりますがまずは病院、そこで非特異性腰痛の診断が出て初めて整骨院や鍼灸院、理学療法士さんの出番です。

ここだけは絶対に間違ってはいけない順序があります。

整骨院ができること

医師によって処置する必要がない非特異性腰痛の中には、我々が改善のお手伝いをできるものもあります。改善に向けて進めていく上で大切なポイントは2つあると考えています。

非特異性腰痛は原因が多岐に渡っているので、多角的なアプローチを視野に入れて進めていくこと。そしてもうひとつは腰痛に関する正しい知識を持って二人三脚で進めていくことです。

多角的なアプローチができるように施術者は常に勉強をして情報をアップロードしておくことは最低限の礼儀です。その学んだ方法と患者さんのマッチング率を上げる目を養う努力をしている治療院をお選びください。

また腰痛治療を進めていく上で知っておいていただきたい知識をご紹介していきます。よく患者さんから質問を受けて返答すると「へぇ、知らなかったです」と驚かれる事が多い、勘違いされている知識を中心にご紹介していきます。

①過度な休養は逆効果

腰痛には「ぎっくり腰」のような鋭い痛みで全く動けないケースがあります。発症してしまった直後は安静を取り、少し動かせるようになったら病院で診察してもらってください。その後は医師の指導の範囲内で可能な限り日常の生活を取り戻すように動くことが早期回復に重要です。

受傷直後と2週間後が同じ活動量では慢性腰痛につながるという実験結果もあります。決して無理のない範囲で動いていくことがリハビリ的な運動になります。いつまでも痛みに怯えて動かないという負のループは早々に断ち切りましょう。

②睡眠は大切

睡眠不足の方が痛みが増強するというデータがあります。

睡眠不足では自律神経の影響もあり痛みがより強く感じる傾向があるそうです。キツイ腰痛で睡眠が難しい場合は痛み止めの服用も選択肢に入れて、少しでも質の良い睡眠を摂る努力が早期回復には大切です。

痛み止めの選択肢を持つためにも、病院での受診は必須であることがお分かりいただけるかと思います。

③お風呂は入ってください

非特異性腰痛の場合はお風呂に入っていただいて問題ありません。

特異性腰痛の場合には入浴で血流が上がることで逆効果になるケースはありますが、非特異性腰痛の場合は心配せずに入浴してください。入浴によって水圧、温熱効果から血流改善、血管拡張、発汗、リラックス効果などが期待できます。

原因が多岐に渡る腰痛においてさまざまな効果が期待できる入浴は回復効果が期待できます。逆にリスクがはほとんどありません。痛みの程度によりますが、お風呂に入れる程度の痛みであれば気持ちよく入浴してください。

稀に入浴後に痛みが増すこともありますが、体の状態変化に伴う一時的なものであることがほとんどですので安心してください。どうしても気になるようなレベルであれば痛み止めの服用で対応してください。

④栄養を摂る

痛みがキツイ時は食欲がないのは仕方がありません。しかし体が回復していく際に栄養素は必要不可欠です。消化の良いものを中心に、少量でもいいので摂取してください。

食事の際は座っても寝ていても構いません。よく噛んで、ゆっくり食事を摂ってください。可能であれば常温か暖かい水分も併せて摂ることをお勧めします。

痛みは大切なシグナル

痛みは本来、体に危険を伝える信号です。

包丁で指を切った際には鋭い痛みを早急に脳に伝え、出血を防ぐための逃避反応を起こします。またヘルニアでは神経に障害が起きた場合に足に痺れを起こして、足が動かなくなる前に痺れという刺激で脳に危険を伝えています。

つまり痛みは今の生活では体がいずれ危険な状態になるほどの負担を受けているという危険信号です。その信号を真摯に受け取り、悪かった点を見つめ直して改善していくことが改善にも再発予防においてもとても大切なポイントです。自分では悪かったポイントが分からない場合には、専門家を頼って指示を仰ぐことをお勧めします。

指示を仰いだ際に腑に落ちる説明、一貫性、施術後の体の変化などから「この先生とだったら改善できる」と思える先生と二人三脚で改善に向かって進んでいってください。

正しい知識も持たずに「年齢も年齢だからどうせ治らない」といった投げやりな姿勢では、どんな治療を受けても効果が半減してしまいます。前向きで積極的な姿勢を保つために「腰痛が治ったら好きな〇〇を再開しよう」といった具体的な目標を設定して治療に臨むことが腰痛改善のための大切な一歩となります。

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回の文章を読んで「全て知っていた!」という方はかなり健康リテラシーが高いと思われます。今回の文章を通じて一つでも新しい情報が増えた、腰痛治療の正しい情報を得たなど、健康情報に対するリテラシーを高める一助になれたのでしたらとても嬉しいです。

1人でも多くの人が当院の標榜する「動けるカラダ」になっていただくためにブログの発信も根強く続けていこうと思います。


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