こんにちは。
奈良県生駒市にあります「はぎの台整骨院」院長の松本です。
ふと鏡を見たら「ん?体が歪んできた気がする」と感じたり、座っている時に「脚の長さが違うなぁ」と思ったことはありませんか?
一度でも左右差で違和感を感じた事がある方は、今回の記事を最後まで読んでいただけると、健康のために左右対称が必要な理由がお分かりいただけると思います。

進化の過程で対称性になった
放射相称(点対称)と左右相称(線対称)
この世界には大昔からたくさんの種類の生物が存在し、環境や食物連鎖、天敵など様々な要因から姿や形を変えています。元々人間は海で暮らす顎と背骨のある魚が本質的な原点と言われています。
太古は放射相称動物と呼ばれクラゲやイソギンチャク、花などシンプルな作りの生物のみが聖生活していました。これらの生物は点対称に体が成長する特徴がありました。これは生きていく際に「上下という方向」が大切だったためと言われています。
具体的には言うとクラゲは上に行けば海面と太陽があり光と暖が取れる、下に行けば海底があり敵や暑さから逃げることができる。生存のために左右を認識したり移動する必要がなかったため、点対称の作りになったと言われています。

また花の場合は、光合成で成長するために全周から太陽光を浴びやすい形をとり、上方向に伸びることが最も効率の良い形だったが故の進化といえます。

今から5億年前ごろからは複雑な作りを持つ生物が誕生し、進化していきます。
例えばヤモリ、ワニ、ネズミなど今でも馴染みのある生物の祖もこの頃に誕生したそうです。
彼らは皆、摂食するための口と排泄器官に加えて背骨という共通の構造を有し、環境に応じて進化した結果、上下だけではなく前後や左右を認識し動けるようになりました。
他の生物との食糧争奪戦の中で上下だけでは到底ご飯にありつけず、左右のどちらかだけだと一生左折か右折しかできない生物となり食物確保のために不利となるための必然の進化だと考えられています。この進化をできた生物は食べることができる確率がUPし生存してこれているようです。

方向が決まるのは胚の時点
生物の進化によって上下や前後左右ができてきたという仮定が真実だとした場合に「じゃぁ上下、前後左右ってどうやって決まるの?」という疑問がある方もいらっしゃるかもしれません。
それは交尾後の受精卵が細胞分裂していく「胚」の段階で決まっています。
受精卵の細胞である「胚」の中に最初に一本の管ができます。この管の入り口が前、出口が後ろという風に前後が決まります。後のこの入り口が「口」となり、出口が「肛門」となり、それらの間にある管が「消化管」として発達していきます。
まず前後が決まった後に上下が決まり、最後に左右が自ずと定まって、動物の前後、上下、左右が決まります。

交尾や摂食を行わない花、また食べても口から排泄をするクラゲやイソギンチャクはこのルールには当てはまらリマ線。反射総称生物と線総称の1番の差は口と排泄器官の有無とも言い換えることができます。
人間にとって意味のある方向
ここまでで受精後まもなくに前後が決まり、摂食のために必要な方向に対称性を持って成長していくのが生存に必須の進化だという事がお分かりいただけたかと思います。
その上で人間が摂食し生存していくためには「どこに食べ物があるのか?」を感知したり、命の危険を察知することが大切になります。その必要性から耳や目などの感覚器が左右に一対ずつある方が、対象を立体的に認識しやすくなるので左右対称に進化していったと言われています。

動物や人間にとっては上下は重力に対する適応、前後は進行方向へ適した結果の進化だと考えられています。上下と前後が決まると自ずと左右が決まります、しかしながら左右に優劣をつけることはとても難しいです。右に行けば必ず食事がある訳ではないからです。
これらの理由から左右均等に行動できる「対称性」を持った構造こそが生存に最も有利な形となり、人間を含む動物の体は左右対称になったがために生存してこれたと言われています。
心臓は左にあるのに左右対称という主張はおかしい?
ここで疑問として「心臓は左にあるから左右対称じゃなくない?」という声です。

他にも肝臓は右側にしかないし、腎臓も高さが違う、横隔膜だって左右で高さが違います。
これらの内臓の左右非対称に関しては、消化器官を作るノードと呼ばれる溝に生えている繊毛(せんもう)の働きが影響していると言われています。
消化器官は食べ物を次々に流して動かしながら消化吸収していく必要があります。そのためにこの毛は右から左に向かって自転し、水流を産んで消化をしやすくしています。この水流の影響で内臓の位置関係が左右非対称になると言われています。
骨や筋肉とは発生が違うので左右の対称性にも差があるということです。
ここまでご紹介した生物の進化の過程を鑑みると、生物の最も根源的な機能である摂食と排泄を最大限効率化させた形が今の内臓の位置であると言う見方が一般的です。
これら最も効率的で完成形である内臓の配置を固定している腹膜は骨からぶら下がっていることも紛れもない事実だと思います。この紛れもない事実こそが、当院が筋肉と骨を左右対称に近づけていくことで、諸々の症状が軽減していくと考える礎となっています。
まとめ
外から見える目や耳、鼻、口などの感覚器、筋肉、皮膚、骨は左右対称、しかし、内臓は非対称。実は左右対称の骨から腹膜を通じて内臓は左右非対称に構成されている方が消化吸収に都合が良く生存に最も有利であるからこその構造になっています。
このルールは人間の発生と進化から裏付けされた決まりであり、揺るがない事実であります。
「人間の骨と筋肉という外枠が左右対称であったから生存してこれた現実がある以上、消化吸収はもちろん健康面でも運動面でも左右対称が最も効率的で理想的な形である。」ということも同時に言えると思います。
もちろん各国での研究結果、ご検体による解剖実験などから個体差や特異的な例も発表されています。
それらを統括しても骨や筋肉の左右誤差は0.75から2パーセント以内であると言われています。コンピュータで作られたようなすべてのパーツが完全な左右対称は存在しません。
そこで当院では「気にしなくていい左右非対称」と「改善すべき左右非対称」の見極めにも力を入れて検査を行なっております。
当院での治療は「気にしなくていい左右非対称の範囲内」におさまることを第一目標としています。
この第一目標を持つことで、私が改善できる症例なのかどうか?柔整師が触ってはいけない症例かどうか?を適切に見極めることができます。
万が一、左右対称性が目標値に到達しているのに症状が緩和しない場合に、私では寛解の術がない部分に原因が隠されていたり、なにかの病気を孕んでいる可能性が高いと考えることができます。自分ではどうしようもできない患者さんは即座に医療機関での精密検査をお薦めし、他院であったとしても結果として患者さんが望む状態に早く導くことができると考えています。
何の考えもなく、知識もないままで左右対称にしようとすると不慮の事故や、心無い矯正に行き着いてしまいます。整体といえど「医療」の要素がある以上、正しい知識と良心を持ち合わせておくことは最低限のマナーだと考えいています。
もしもお体の歪みや矯正に不安やお悩みがある場合は、気軽にご相談いただければと思います。
はぎの台整骨院
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